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なりすまし
後絶たず　恐怖・不安、被害者「法整備を」

　ツイッターやフェイスブック（ＦＢ）などソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）上のアカウントやページに「別の自分」が突然現れ、本人にとって不名誉な情報を発信する「なりすまし被害」。司法に救済を求める動きが続いている。【近松仁太郎】
　神奈川県の５０代の男性会社員は昨年２月、ＦＢに自分のなりすましページが作成されていることに気づいた。氏名と勤務先を組み合わせたアカウント名で、自分の住所や出身地、職歴も掲載されていた。同５月には自身の勤務先の写真が投稿され、知っている人が閲覧すれば男性本人のアカウントだと誤解することが予想された。

　また、男性が頻繁に利用していると見せかける意図なのか、風俗店の写真が複数回投稿された。電車内で女性の胸元を上からのぞき込むような画像も掲載された。男性は身近にアカウントの作成者がいるのではないかと疑心暗鬼になり、勤務先で部下に注意することにも不安を覚えるようになったという。

　男性は昨年１０月、接続通信会社を相手取ってアカウント開設者の情報開示を求め、東京地裁に提訴。接続通信会社側が開設者に問い合わせたためか、審理中になりすましページは消えた。地裁は今月１４日、請求通り開示を命じた。男性は「直接的な中傷ではない分、気持ち悪さや恐怖を感じた。判決で情報開示が認められたので、本人に動機を確かめたい」と話す。

　関西地方の女性は昨年、ツイッター上でなりすまし被害に遭った。自分の顔写真が入ったアカウントを作成され、自分ではない女性の下半身を露出した写真が投稿されたという。この女性も接続通信会社を相手に、アカウント開設者の情報開示を求めて東京地裁に提訴している。

　女性は「なりすましアカウントのフォロワー数が増えていく度に、恐怖と不安を感じてパニックになった。なりすましアカウントは完全に消えなければ被害者は苦しみ続ける。被害者を守る視点で法整備をしてほしい」と望んでいる。

　ネット上などで大きく取り上げられた被害もある。乳がんと闘ったフリーアナウンサーの小林麻央さん（当時３４歳）が昨年６月に亡くなった際、実在する弁護士名で登録されたなりすましアカウントが炎上を誘うような内容を投稿し、この弁護士の事務所に批判や問い合わせが殺到する事態が起きた。

　悪質な情報発信などに削除要請を行う一般社団法人「セーファーインターネット協会」（東京）の吉川徳明・違法有害情報対策部長は「ＳＮＳ事業者には、悪意ある『なりすましアカウント』の速やかな削除などを進める責任がある」と指摘。その上で「加害者を特定しやすくするよう発信者情報の開示基準を緩める法整備も考えられるが、政治家や企業の不正を告発しようとする善意の発信者まで容易に特定される恐れもある。情報開示と表現の自由とのバランスが重要だ」と話す。

　【ことば】アカウント

　インターネット上の特定のネットワークを利用する際に必要で、ユーザー名やパスワードを登録して作成される権利。他人に個人情報を勝手に登録されて作成される「なりすまし」被害が多発しているとされ、フェイスブックやツイッターの利用者規定はなりすましの削除や凍結（使用停止）を記載している。だが、「パロディー目的」ならば対象外とするなど例外もあり、被害者が削除や発信者（作成者）情報の開示を求めて訴訟を起こすケースが増えているとされる。

ソースはこちらから

◆これ、現行法でもできるんじゃないの？
民事じゃなくて、刑事事件でも。
できないのか？

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